「闇の子供たち」筆者:梁 石日

闇の子供たち

闇の子供たち

幼児売春。臓器売買。抑圧と貧困が支配するこの世界で蹂躙される子供たちの運命。日本文学史上、類例なき問題作。
ヤイルーンは八歳のときに売られてバンコクに連れて行かれた…。幼児売春、臓器売買。抑圧と貧困が支配するこの世界で蹂躙される子供たちの運命を描く。


幼児売春、臓器売買。
最初は、読んでいるのも辛くて、途中で止めようかとも思ったほどでした。
でも読んでいる内に、この子供たちは、一体どうなってしまうんだろう〜と、読まずにはいられなくなってしまいました。
人は、これ以上ないほどの虐待を受けた悲惨な幼児に 最後の最後まで、ここまで酷い事が出来るものなのか・・と、とても悲痛な気持ちになり、眠れないまま朝を迎えてしまいました。
腐ったような すっぱい悪臭が蒸気となって、臭ってきそうなくらい、リアルでした。
これだけのおぞましい内容を読み終っても、よその貧しい国の出来事!くらいにしか受けとめられない私。
自分の居場所にほっとする自分がいて、なんか罪深い気持ちになるのだけど、やっぱり他人事、無関心なのだ!と改めて悟ってしまった事が悲しい。
日本人ボランティアが命を張って 子供たちを助けようとする姿を直視できない自分がいました。
情けないけど、本当の事。
心の一部にナイフを刺されたような、そんな作品でした。