「ゆれる」（DVDにて鑑賞）

ゆれる [DVD]

オダギリジョーが演じる弟の猛は、故郷を離れ、東京でカメラマンとして成功。一方、香川照之の兄・稔は実家のガソリンスタンドを継いでいる。母の一周忌に帰った猛だが、稔、幼なじみの智恵子と出かけた渓谷で、智恵子が吊り橋から転落死してしまう。殺人容疑をかけられた兄と、彼の無実を信じる弟の関係が、ときにスリリングに、ときに不可解に、さらに衝撃と感動を行き来し、タイトルが示すように“ゆれながら”展開する骨太なドラマだ。
都会に出た者と、田舎に残る者。性格も違う兄と弟。映画は対照的な立場を鮮やかに描きだす。西川美和監督は、微妙なセリフで男ふたりの複雑な内面を表現し、観る者のイマジネーションをかき立てまくる。背中の演技で心情を伝える香川照之もすばらしいが、兄に対する負い目と苛立ちの両方をみせるオダギリジョーは、彼のキャリアのなかで最高の演技と言っていいだろう。あのとき吊り橋で、何が起こったのか？ その真実も含め、さまざまな余韻を残すラストシーンは目に焼き付いて離れない。兄弟を持つ人ならば多かれ少なかれ、ここに描かれる確執に共感してしまうはず。家族の関係も、そして人生も、一筋縄ではいかないのだと教えてくれる名編だ。（斉藤博昭）

この映画に登場する吊り橋は、新潟県津南町の中津川渓谷で撮影されたらしいです。
清津峡、今は、渓谷までトンネルが開通して、渓谷沿いを歩く事は出来ません。
渓谷の岩が見事で、好きな場所の一つです。
映画は、とても面白かったです。
オダギリジョーの淡々とした演技の中に、屈折した心模様を感じ取る事が出来ます。
そしてなんと言っても素晴らしかったのが、香川照之。
引き込まれました。
どれが本当で、どれが妄想なのか・・？！
もしかして、本当は殺したのでは？と感じさせる病的な表情に、ゾッとしました。
ラストは、切なかったなぁ〜。。