「あやし」 筆者:宮部みゆき

あやし (角川文庫)

あやし (角川文庫)

十四歳の銀次は木綿丼屋の「大黒屋」に方向にあがることになる。やがて店の跡取り藤一郎に縁談が起こり、話は順調にまとまりそうになるのだが、なんと女中のおはるのお腹に藤一郎との子供がいることが判明する。おはるは、二度と藤一郎に近づかないようにと店を出されることに・・・。
しらばくして、銀次は藤一郎からおはるのところへ遣いを頼まれるのだが、おはるがいるはずの家で銀次が見たものは・・・。(「居眠り心中」)
月夜の晩に本当に恐い江戸ふしぎ噺・九編。筆者渾身の怪奇小説集!


久しぶりに宮部みゆきを読みました。
ずっと前に買ってあったのですが、秋深くなってきた頃にやっと読み始めました。
短編集で、どれもとても面白かったです。
おどろおどろしいものではないものの、冷っとする話もあったり、まか不思議な話、物悲しいもの、何故か清々しい気持ちになる物語もあり、とても面白かったです。
特に「安達家の鬼」は、見た者の心を映し出す、不思議な鬼の物語。
何故か、不思議と心が温かくなる作品でした。
そして「女の首」は、女中の身勝手な想い込みが怨念となり、奉公先の若夫婦を襲った悲しい事件が起こり、10年後に新たな展開をむかえる事になります。
生き別れになった親子の再会!怪談話なのですが感動的でした。