「パラレルワールド・ラブストーリー」筆者:東野圭吾

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?傑作長編ミステリー。


面白かったです。
途中から、話が180度違う展開にとまどいながら、読み進めて行く内に、秘められた実験の骨格が だんだんと見えてきて、ラストは、とても切ない展開になります。
親友同士が同じ女性を好きになり、各々の存在に縛られて、傷つき、傷つけ、何時の間にか、記憶を書き換えて行き、あるキーワードが切っ掛けで、書き換えられた記憶が脆くも崩れ始め、パズルを埋めるように、元の記憶を手繰って行き、その結末に、本人も驚くような展開が待っていました。
ラストの智彦の手紙で、一気に目が潤んでしまいました。
切なかったなぁ〜。