本「熱球」筆者:重松清

熱球 (新潮文庫)

熱球 (新潮文庫)

甲子園に憧れていた。予選を勝ち進んだ。でも、決勝戦前夜の悲劇が僕と仲間たちの夢を断ち切った。二十年後、三十八歳になった僕は一人娘を連れて故郷に帰ってきた。仲間と再会した。忘れようとしていた悲劇と向き合った。懐かしいグラウンドでは、後輩たちが、あの頃の僕らと同じように白球を追っていた。僕も、もう一度、マウンドに立てるだろうか――。おとなの再出発を描く長編。


面白かったです。
過去から逃げたい気持ちと、過去に縛られて動けないでいる自分。
挫折した1人の大人の 長い休み。
小学校での娘への苛めで、自分の故郷の嫌な部分をリアルに味わい、逃げ出そうとしますが、地元の友人達と接して行く内に、自分自身を見つめ直し、逃げたい過去を自分なりに受け止めて、決意を固めて行きます。
それぞれの切ない現実を過ごしながらも、熱かった高校生活を思い出し、自分への過去に踏ん切りを付けて進んで行こうとする姿に、なにか生きて行くヒントみたいなものを感じました。