「紙屋悦子の青春」(映画館にて鑑賞)


出演: 原田知世永瀬正敏松岡俊介小林薫本上まなみ
昭和20年、場所は鹿児島。年頃となった紙屋悦子がひそかに想いを寄せる明石少佐は、特攻隊として出撃間もない身である。そんな時、悦子に持ちかけられる、明石少佐の親友・栄与少尉との縁談・・。明石少佐への想いを断ち切れない悦子、そして親友へ悦子を託そうとする明石少佐、そして二人の想いを受け止める栄与少尉。
終戦間近の日本で繰り広げられる青年たちの素朴な日常と青春、そして戦争。時を経た今なお語つがれる哀しい心の記憶。


病院の屋上で夫婦がベンチに座ってゆったり話をしているシーンから入ります。
話は主人公の過去と現在の二つの時代で描かれてます。
説子(原田知世)の声の耳心地がとても良くて、ウトウトしそうになりましたが、若かりし日の彼女に話が移ると、しっとりとした時間が流れて、引き込まれて行きました。
シーンを盛り上げるバックの音は一切なく、逆にこの事が、淡々と、それぞれの純粋な想いを胸の奥で燃え上がらせていく姿が、切ないくらいに伝わって来ます。
派手な盛り上がりはないけど、静かに吸い込まれて行くような作品でした
昔の日本の女性の内に秘めた強さが見事に描かれています。
労わり合う家族、周りとの結び付きに感動して、涙が溢れました。
良い映画でした。