「平成元年の殺人」 筆者:斉藤栄

平成元年の殺人 (集英社文庫)
浜倉和樹と言う弟子入りを志願する青年から、推理作家・中里英光の所に手紙が届く。弟子は取らない主義の中里は浜倉の熱意と文面に、手紙のやり取りのみと言う条件で弟子入りを認める。浜倉の推理小説に対する疑問に答える形で中里は持論を展開する。作家としてのライバルとして世間に言われている杉内がハワイで殺される。全編20通の書簡のやり取りを、30日で実施する。


全編が、往復書簡体の形式で描かれているこの本、中盤までは もう読んでいる内に眠気に襲われて5ページと持たないくらい眠かったです。
中盤辺りまで読むのに2週間くらい掛かったでしょうか・・・。
終いには「眠れるバイブル」と呼んだりして。。
しかしそれも中盤まで!
後半は手紙でやり取りしていた人物が殺されて、その辺りからミステリー度がグッと上がり、後半に向けてあっという間に読んでしまいました。
この往復書簡体の形式の中にトリックがあり、ワープロがこのトリックに一役かってます。ラストも捻りある展開で面白かったです。
しかし最初から入り込めないと、本のスピードってこんなに影響するものだとは思ってもみませんでした。